MEDIA MAKERSを読了して思う事をまとめてみる。

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MEDIA MAKERS―社会が動く「影響力」の正体読了しました。

個人がメディアになり得る時代で、メディア媒体も、企業発信の媒体も、多くが手探りの状況なのかなぁ〜という中で、重要なエッセンスが詰まった本でした。誰かから聞いた「一億総編集長時代」みたいな状況ですもんね。

純粋にマーケティング本としても、参考になりました。現状、私も弱小メディアの編集長をつとめる関係上、刺激を受けます。ありがたいことです!(現在、広告モデルをとっていないのですが、影響力という面ではやはり重要な示唆がたくさん。)

粗いまとめ。

自己満足の情報になっていないか

メディアは必ず受け手を必要とする。コミュニケーションが存在しなければ、そこには存在しないも同然。視聴者、読者、ユーザー、つまり受け手こそが王様。

市場の存在

大なり小なりメディアが成り立つところには市場が存在する。例えば専門誌があるところには、それを必要とする読者がいて、関連グッズを販売する業者がいて、一つの世界を作り上げているもの。スケボー雑誌はあるが、缶蹴り雑誌が無いのもそれで説明が出来る。競技人数では缶蹴りの方が経験者は多いかも。(缶蹴り協会とかつくって、全国大会とかをやってしまえば、変わってくるかもw)

ただ、メディアという“観察者”がなくては世界が立ち上がらないというのも面白い視点でした。怪し気な世界観だったヨガを「ファッション」にまで昇華してブームをつくるなども、メディアが変えたこと。

メディア・コンテンツを切る3次元マトリクス

  • ストック—フロー
  • 権威性—参加性
  • リニア—ノンリニア

ストックとフロー。Webメディアで言うと、Wikiのように検索されて時間的に色あせない記事がストック。一気に短期間に口コミを起こして、短期間で見られなくなる記事はフロー。ピッチャーで言えば、豪速球と変化球のようなもので、どちらか一方だけではなく、両方を使える方が優秀なように、編集者としても同じ。

権威性と参加性は、ミシュランと食べログの関係のようなもの。やはり、どちらが良いというものでもないが、時と場合によってその価値は変わってくる。

リニアとノンリニア。リニアの典型例は映画。特に映画館。最初から最後まで線で見せる事ができる。よほどじゃない限り、途中でやめたりできない。ある意味乱暴なまでに、その世界観を見せつける。でも世の中の多くはノンリニア。特にWeb上などはほぼノンリニア。

著者の田端さんは、デジタル化とソーシャル化の流れで、フローとストックは拮抗しているが、より参加性/ノンリニアの方にコンテンツは引っ張られていると見解を示されています。

ペルソナの重要性

いけてるメディアは、ターゲットとなる読者を、具体的に定義している。マーケティング用語でいうところのペルソナ。性別や年齢や年収といった定量データではなく、より具体的にその人の生活が思い浮かべれるくらいの像。キャラ設定。ここがめちゃくちゃ重要で、これがうまくいけば半分成功しているようなもの。

そうすることで何が得られるか。記事の取材や、広告掲載、その他重要な決定事項の判断スピードを格段に上げる。そして、そういった人をターゲットとする広告出稿者も集まりやすい。いろいろなメリットがある。確実に記事も書きやすくなる。

メディアの品質とブランドについて

メディアの品質=作り手への信頼、リスペクトできるかどうか。

つまりインプレッションやPVを上げるためだけに、似ているような記事ばかり書いていては、尊敬、畏怖のような念は生まれないし、そういう記事が多いばかりに、PV至上主義のような市場ができあがってしまっている事実。

Financial Timesの紙面の色が薄いサーモンピンクである意味が、“ブランド”であり、その他のタブロイド紙と一緒にするなという意味と、持ち歩いている人がそれ相応の階級の人であるということを物語る新聞。(イギリスは階級社会)ブランド化はメディアにおいても大切だし、ただ読まれるためだけに低俗な記事を掲載していてはNG。

馬具メーカーであることをやめたエルメスの話

エルメスは、ロゴからも分かるように、実はもともとは馬具メーカーだったという話しは有名ですよね。今はバッグブランドとして有名だけど、それがなぜかっていうのをちゃんと初めて知った。車社会の到来に先んじて、「馬具メーカー」から「最高品質の旅行用革製品をつくる」と再定義したからこそ、今のエルメスが存在するということ。

まさしく「Why」をちゃんと見直して、再出発したのですね。自分たちは馬具をつくっているんだ!と、「What」ばかり言っていては、消えてしまっていたかもしれない。なるほどー。

これに関して、この一節はめちゃ重要だと思った。

環境変化が激しい時代だからこそ、「自分たちは何屋なのか?」「自分たちだからこそ、社会や顧客に提供できる本質的な価値とは何か?」このことを自問自答し続けなければならない。

個人メディアの影響力

バンドリングされた雑誌のようなメディアから、アンバンドリングされていく状況。つまり抱き合わせ販売ではなく、読みたい人のコンテンツを有料で買うという時代になってきているという事実。

今後、ある分野において信頼され影響力のある「個人型メディア」とどのように関わるか?そこで披露される知見と自分たちをどのように差別化するのか?あるいわ個人型メディアを運営しているようなパワフルな有力者をサポートする側に回るのか?いっそのこと自らが「個人型メディア」を起こしてしまうのか?

こういった視点を今後、メディア運営に関わる人間、ビジネスパーソンとしても、確かに大事だなぁと思いました。

MEDIA MAKERS―社会が動く「影響力」の正体

ブラ・トヨ

ブラ・トヨ について

真面目にゲームやアソビの利活用を研究中。 行列と渋滞が苦手。締めのラーメンは食べません。野球は観るのもするのも好きな元テニス部員。妄想と空想と現実の狭間で過ごす。時々ダークサイドが露出しますが許してください。